コラーゲンの種類
■水溶性コラーゲン
コラーゲン原料である動物の真皮を酵素などで溶解し得られるコラーゲン水溶液のこと。コラーゲン特有のらせん構造をそのまま持っている。熱を加えるとこのらせん構造が壊れて、ゼラチンになる。(関連記事:水溶性コラーゲンとは)
■加水分解コラーゲン
ゼラチンをタンパク質分解酵素で切断(加水分解)して得られるコラーゲン。通常のコラーゲンよりも分子量が小さく、肌や体への浸透力が良い。
※加水分解法(煮出し法、高圧法、水熱加水分解法など)によって得られる液体コラーゲンのことを言う場合もある。この分解方法により分子の大きさが異なります。
■低分子コラーゲン・コラーゲンペプチド
ゼラチンを加水分解することで、コラーゲンの分子量はもともとの大きさより小さくなります。この分子量の小さいコラーゲンを、「低分子コラーゲン」「コラーゲンペプチド」と呼びます。
近年では、これよりさらに低分子化したコラーゲンが「トリペプチドコラーゲン」「ナノペプチドコラーゲン」「超低分子コラーゲン」などと名付けられています。
小さくなればなるほど体への吸収力は高く、効果も得られやすいと言われています。加水分解コラーゲン=低分子コラーゲン/コラーゲンペプチドです。
大きさの順序としては、
水溶性コラーゲン>ゼラチン>コラーゲンペプチド>アミノ酸 となります。
飲むコラーゲンの種類
「飲むコラーゲン」にも種類があります。一番手軽だと人気なのは、ドリンクタイプのコラーゲンです。
種類 | 解説 |
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コラーゲンドリンク | 瓶、またはパックに入っていて、栄養ドリンクのように飲んで摂取する。 ジュースのように味がつけられているので、飲みやすい。 なにかに混ぜる手間が無いので簡単。 アスタリフトやフラコラなどドリンクタイプのコラーゲンは数多くある。 |
原液・粉 | 何かに混ぜて飲むタイプのコラーゲン。 ジュースやスープなどに直接かけて、混ぜて飲む。 天使のララ(液体)や潤粋ヒアルコラーゲン(粉)などがある。 |
サプリメント | 固形上になっていて、薬のように水と一緒に飲む。 すっぽん小町やHTCコラーゲンが有名。 |
ゼリー | 多くはチューブ状の小袋入りで、中身はゼリーのような形状で 飲むと言うより食べる感じ。 |
上記が主な飲むコラーゲンの種類です。やはりドリンクタイプが飲みやすく、手軽だと感じる人が多いようで、コラーゲンドリンクは本当に人気があります。
今回3人で飲み比べをしたコラーゲン13種類は、コラーゲンの中でも口コミの評価が高く、信頼できるメーカー、ということに重点を置いて厳選したものです。また、サプリメントやゼリーは、忘れてしまう・・という人が多く、育児中の私たちにとって「手軽さ」は何より大切だったので、コラーゲンドリンクを中心に厳選して飲み比べをした、というわけです。
では、次に各社どのようなコラーゲンを使用しているのか?を具体的に見てみましょう。
飲むコラーゲンは、どのようなものが使われているか調べてみました。
種類 | どんなコラーゲンが使われているか | 由来 |
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アスタリフトドリンク 富士フィルム |
一般にいう低分子コラーゲンの分子量3,000に対し、分子量700まで さらに低分子化したもの。魚由来コラーゲン。 コラーゲン構成成分であるプロリン、リジンも配合されている。 |
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アミノコラーゲンEX 明治 |
フィッシュコラーゲンを低分子化したもの。 それだけでなくメーカー独自の製法によりさらに吸収量・吸収速度を 高めた形に加工してある。 |
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フラコラ プレミアム フラコラ EX 協和 |
フィッシュコラーゲンを低分子化したもの。 | |
コラーゲン20000プラス マードゥレクス |
フィッシュコラーゲンを低分子化したもの。 | |
美・皇潤 エバーライフ |
高級フカヒレを低分子化したもの。 | |
天使のララ エミネット |
良質な魚のウロコを原料とした天然コラーゲンを低分子化したもの。 メーカー独自の製法により、コラーゲンの三重させん構造を保った 高品質なコラーゲン。 |
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HTCコラーゲンドリンク テンスアップEX ファンケル |
一般的な低分子コラーゲンをさらに小さいサイズにカット。 吸収力と合成力に優れた「HTCコラーゲン」とメーカーが名付けている。 豚皮由来のコラーゲン。 |
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DHCコラーゲン ビューティー7000プラス DHC |
フィッシュコラーゲンを低分子化したもの。 | |
潤粋ヒアルコラーゲン ハウス食品 |
豚由来コラーゲンを低分子化したもの。 | |
シトラスコラーゲン オルビス |
豚由来コラーゲンを低分子化したもの。 | |
ザ・コラーゲン エンリッチド 資生堂 |
豚由来コラーゲンを低分子化したもの。 ※資生堂のコラーゲンは、 魚由来の場合→「低分子フィッシュコラーゲン」or 「コラーゲンペプチド(魚由来)」 豚由来の場合→「低分子コラーゲン」or「コラーゲンペプチド」 と外装表示もしくは原材料名に記載があります。 |
上記のように、全ての商品が低分子化されたコラーゲンを使用しています。また、今現在販売されているコラーゲンの多くは、魚由来(フィッシュコラーゲン)の方が割合としては高く、豚由来のコラーゲンはあまり使用されなくなってきています。(関連記事:フィッシュコラーゲンとは?豚コラーゲンとの違い)
また、植物性コラーゲンなどといったものがあるらしいですが、コラーゲンは動物の体内からしか抽出できません。よって海藻や植物からはコラーゲン商品が出来ません。気をつけましょう。
コラーゲンとは←こちらではコラーゲンの原料を紹介しています。
その他いろいろなコラーゲン製品
「コラーゲン」と一口に言っても、広い意味で使われている言葉で、一番多く使われているのはゼラチンの別名としての「コラーゲン」です。
コラーゲンに熱をかけるとゼラチンになります。ゼラチンはゼリーなど食品材料としてよく使用されていて、他にも写真用材料や医薬カプセル材料にも使用されています。また、コラーゲンを小さく断片化したコラーゲンペプチドも、「コラーゲン」と呼ばれたりします。
種類 | 解説 |
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コラーゲン水溶液 | コラーゲンのらせん構造を壊さないよう、繊維から溶解してつくられる。 濃度は1~2%程度で粘性があり、主に塗る化粧品として使用されており 「ピュアコラーゲン」「水溶性コラーゲン」とも呼ばれる。 飲むコラーゲンの原料として使われることもある。 |
コラーゲンゼリー | コラーゲン水溶液より濃度が高い。 半溶解の吸水して膨らんだ繊維を含み、生体とのなじみが良い。 人工皮膚や充填剤など医療用材料に使われる。 |
コラーゲンビーズ | コラーゲンゼリーをビーズ状の形にしたもの。 細胞培養材料など研究用に使われる。 |
コラーゲンスラリー | コラーゲン溶液から繊維を沈殿させて圧搾したままにしたもの。 または凍結したもの。主に中間材料として使用されている。 |
コラーゲンスポンジ | コラーゲン水溶液、またはコラーゲンゼリーを凍結・乾燥させて得られるもの。 コラーゲンパウダーとも呼ばれる。 手術時の出血を吸収したり止血剤などに使用されている。 |
コラーゲン糸 | コラーゲンペーストを糸状に乾燥させたもの。 手術時の縫合糸に使用される。 |
コラーゲンフィルム | コラーゲンペーストからフィルム状に整形乾燥したもの。 可食性のソーセージケーシング(ソーセージを詰める皮)として使用されたり 人工皮膚のような医療用材料として使われている。 |
コーティング材料 | ガラスやプラスチックシートのような支持体にコーティングして、 細胞の培養や生化学診断などに使う。 |