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水溶性コラーゲンとは

コラーゲンの原料から酵素を使い低温溶解したもの

コラーゲンはもともと、非常に丈夫で水に溶けない性質を持っています。

水溶性コラーゲンとは、豚の皮など動物の真皮を原料とし、そのコラーゲン線維を酵素などを使い低温で溶解することで得られる、らせん構造をもつコラーゲンの水溶液のことを言います。主に化粧品材料として使われています。

「低温で温和な条件で溶解する」というのがポイントで、これが高温になってしまうとコラーゲンのらせん構造が壊れ、ゼラチンに変わってしまいます。酵素を使い、低温で溶かす事により、コラーゲン本来のらせん構造を壊さずコラーゲンを抽出することが出来ます。

水溶性コラーゲンは、不純物が非常に少ないこと、粘性が強くコラーゲンの純度が高いのが特徴です。

一方、魚の真皮を原料とするコラーゲンは、酵素を使わずに弱酸性の低い温度の水溶液中で溶解し、水溶性コラーゲンを作る事が出来ます。ただ、酵素は不純物を除去したり、若いコラーゲンをよく溶かす働きをしてくれます。なので、酵素によって溶解したコラーゲンの方が性質・性能的には優れています

実際の「水溶性コラーゲン」という言葉の使われ方は、水に溶かす事ができてコラーゲン由来のものであれば、まとめて「水溶性コラーゲン」と言われることもありますが、本当の意味での水溶性コラーゲンは、ゼラチンやコラーゲンペプチドとは全く違う外観や性質があるので、これらは区別されるべきものです。

水溶性コラーゲンとは、コラーゲンの性質「らせん構造」をそのままに壊さぬよう抽出したものを言います。

水溶性コラーゲンの特徴・効果

特徴・効果その1「コラーゲンの純度が高く、粘性が強い」

コラーゲンは動物の皮を原料としますが、その原料にはコラーゲン以外のものも含まれています。

水溶性コラーゲンは、原料である真皮を洗浄して不純物を取り除いた後に酵素を使用して溶解していきます。酵素はスゴイ力を持っていて、コラーゲン以外の不純物は分解して除いてくれます

さらに、酵素は若いコラーゲンをよく溶かします。「若いコラーゲン」が濃縮されることになり、その後幾度も精製作業を重ねることにより、益々純度の高い水溶性コラーゲンが出来上がります。

また、粘りがとても強いということも水溶性コラーゲンの特徴です。その粘性の高さは、入っている容器を逆さまにしても垂れてこないほどです。

特徴・効果その2「保湿・保水性が優れている」

水溶性コラーゲンは粘りが強いため、水分を抱える能力に優れています

この特徴を利用したものが、塗るタイプのコラーゲン化粧品です。ゼラチンは水溶性コラーゲンにさらに熱を加えて溶かしたものですが、ゼラチンはコラーゲンよりも水を吸いつける量が少ないです。

特徴・効果その3「消化性が良い」

水溶性コラーゲンを口から飲むと、胃の中でゼラチンとなりその後アミノ酸やペプチドとなり、腸から吸収されます。

その際に、歳をとったコラーゲンが多いと未消化物が残りやすいと言われています。酵素によって溶解した水溶性コラーゲンは、若いコラーゲンが多いので消化性が良いです。

特徴・効果その4「丈夫な皮膜をつくる」

コラーゲン水溶液を皮膚に塗ると、皮膚の表面に薄い皮膜が形成されます。皮膚の水分の蒸発を防ぎ、肌の保湿効果を高めるため、化粧品材料として使用されています。

水溶性コラーゲンと加水分解コラーゲンの違い。毒性・界面活性剤について

水溶性コラーゲンについて調べていると、水溶性コラーゲンは界面活性剤なのか?加水分解コラーゲンとの違いは何か?などといった疑問を持っている人が多いように感じました。

■界面活性剤とはなにか?

まずはココが基本です。界面活性剤とは、「分子内に水になじみやすい部分(親水基)と、油になじみやすい部分(親油基・疎水基)を持つ物質の総称」(Wikipediaより引用)です。

水と油は決して混ざり合いませんが、界面活性剤の力を使えば間を取り持ってくれ、水と油はなじみます。乳液やクリーム等の化粧品材料として、リンス、コンディショナー、石鹸・・・etcに使用されています。

■水溶性コラーゲンと加水分解コラーゲンの違い

次に水溶性コラーゲンと、加水分解コラーゲンの違いについてです。

・水溶性コラーゲンとは
上記の通り、コラーゲン原料である動物の真皮を酵素などを用いて溶解したもの。コラーゲンのらせん構造を壊さず、粘性の高いコラーゲン水溶液。

・加水分解コラーゲンとは
「加水分解法」を用いて抽出したコラーゲン。水溶性コラーゲンはコラーゲンの分子量はそのままですが、加水分解コラーゲンはこの分子量が小さいです。肌に浸透しやすく、または体に吸収されやすいのが特徴です。分子の小さい加水分解コラーゲンのことを、「低分子コラーゲン」「コラーゲンペプチド」と呼んだりします。※加水分解の方法により、分子量の大きさは異なります

界面活性剤とは言えない!

■どちらも界面活性剤ではない!

界面活性剤とは、上記Wikipediaの引用の通り親水基と親油基をもつもののことですので、水溶性コラーゲンも加水分解コラーゲンも界面活性剤とはいえません

化粧品の用途としては「保湿剤」に当てはまります。

動物由来の天然界面活性剤だ!なんて書いてある物もありまして、そうなのかな?なんて思ってしまいがちですが。界面活性剤の定義に両方のコラーゲン共当てはまりませんので・・

勘違いしないようにしたいものです。

■毒性は?

水溶性コラーゲンも、加水分解コラーゲンももともとはタンパク質ですし体に入ればアミノ酸とペプチドです。

安全性の高いものですが、ゼラチンアレルギーの対象となったり、製品によってはえび、かにを原料に含むというものもありますのでアレルギーを持つ方は注意が必要です。

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